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通関士試験の勉強を始めるとき、多くの人が「よし、全科目を最初から全力で並行して勉強するぞ!」と気負いがちです。ですが、ハッキリ言います。それ、フルタイムで働きながらだとほぼ確実にパンクします。
未経験だった私が1年で一発合格できたのは、器用だったからではありません。「あれもこれも同時にやらない」と完璧主義を捨て、科目ごとにスタート時期をあえてズラす「戦略的後回し」をやったからです。
今回は、私が実際に「秋・冬・春・夏」の4つの季節で、何をどうズラして合格ラインに届いたのか、その具体的な取り組みを公開します。
秋(11〜12月):専門用語に慣れるだけで100点
勉強を始めたばかりの秋は、とにかく専門用語のオンパレードで、テキストを読んでもどれも同じ制度にしか見えません。過去問を解いても「さっき見たのと、これ、どう違うの?」とミスを連発。正直、脳が拒絶反応を起こしてイライラしました。
- 講義動画は1日15〜30分だけ見る(理解より、まずは慣れる)
- テキストは「覚える」のではなく「ただ読む」ことを優先
- 「暗記で乗り切るのは無理」と割り切り、制度の背景をつかむことに全振りする
この時期は「わからなくて当たり前」と開き直れるかどうかが、挫折しないためのコツでした。
冬(1月〜):忘れる自分を責めず、アプリで復習
年が明けて過去問中心の生活に入りましたが、ここは最初の「苦痛のピーク」でした。解いても解いても、翌日には綺麗さっぱり忘れているんです。「なんでこんなに記憶に残らないの?」と絶望し、ネットで必死に記憶のメカニズムを調べました。
そこで行き着いたのが「エビングハウスの忘却曲線」。忘れるのは自分の頭のせいではなく、人間という生き物の「仕様」だと知ってめちゃくちゃ安心しました。そこからは感情を捨て、アプリや自分が間違った問題に付箋をつけて間違った問題を集中的に復習を繰り返すことにしたのです。
- 「忘れる前提」で、忘却曲線に沿った無駄のない効率的な復習スケジュールを組む
- フォーサイトのアプリ「ManaBun」で復習タイミングの最適化する
- ×がつく問題は付箋をつけて毎日絶対に触れ、しつこく繰り返す
最初はバツばかりで大変でしたが、アプリで確認テストをして進めると、解ける問題が増えてきて、ゲームのステージをクリアしていくような感覚で一気にやる気が加速しました。
春(4月〜):関税法を固めてから、満を持して「実務」へ
多くの受験生が「実務は怖いから早くやらなきゃ」と焦る中、私はあえて春(4月)まで通関実務の勉強を寝かせました。なぜなら、土台となる関税法がグラグラのまま実務に手を出したら、両方同時進行できずに自滅すると冷静に判断したからです。
- 完璧主義を捨て、関税法の足固めが終わってから実務へシフト
- 実務の問題を手が勝手に動くまで繰り返し解き、ルーティンで時短で解けるようにする
- 独学の限界を感じ、LECの「通関実務対策講座 貨物分類編」を単発で通信受講
LECの分類説明がとにかく分かりやすく、いっぱいいっぱいだった気持ちが救われました。結果的に春からのスタートで十分間に合いました。「全部を同時に完璧にやらない」という割り切りが、ここで生きてきます。
夏(8月〜):模試3回。D判定から「2週間」で合格判定へ
夏からは、本番と同じ時間帯・タイムスケジュールで1日通しの問題を解く「体力・気力勝負」が始まります。私はこの時期、合計3つの模試を受けました。模試は、学力を測るためだけでなく「本番の最悪な環境を想定する練習台」としてとっても役立ちました。
受けた模試は
- 日本関税協会
- LEC
- TAC
実際、ある模試では隣に座った人がものすごく慌ただしく動く人で、視界と音が気になって猛烈に気が散りました。「本番でもこういうことは絶対に起きる。その時どう心を落ち着かせるか」という、これ以上ないイメトレになりました。
- 時間を計って本番の空気感とノイズに慣れる
- 8月の関税協会模試で「D判定」→弱点が実務だと確定
- 「実務に全振り」と割り切り、そこだけを集中勉強(毎日輸入と輸出1問ずつ解きました)
D判定を見たときは落ち込みましたが、模試で弱点がハッキリしたおかげで、なんとそのわずか1〜2週間後(9月初旬)に受けた別の模試では、一気に合格判定が飛び出しました。
不合格の可能性から、合格の可能性へ到達する。その境界線を超えるのは、実はそんなに長い時間はかからないのだと、身をもって実感した瞬間でした。切羽詰まると本気の力が出ます!
直前期(9月):新しい知識は増やさず「守りに徹する」
9月に合格判定が出ても油断は禁物。逆に不安から「まだ知らない知識があるのでは?」と深堀りしたくなる気持ちが出てきます。しかし、私は心を鬼にして新しい教材に手を出すことはシャットアウトしました。
- 「もう覚えたからいいや」と放置せず、一度得た知識をずっと温め続ける
- 今まで信じてきた過去問の×印と、模試の復習だけを繰り返す
- 税番分類のよく出る品目だけを絞り込み、通勤時と寝る前にひたすら見直す
- 「増やす」のではなく「学んだことを本番までにキープしてこぼさない」
最後に焦って打って出るのではなく、徹底的に「守り」に徹して知識をキープしたことで、本番当日も取り乱さずに実力を出し切れました。
時期ごとにスタートをずらす3つの圧倒的メリット
一気に全科目を始めず、季節ごとに役割を分けたことで、次のようなメリットがありました。
- フルタイム勤務でも、脳と体力がパンクせず無理をしないで済む
- 「今はこれだけに集中すればいい」と割り切れるので、焦らず積み上げられる
- 関税法の土台がある状態で実務に入るため、結果的に理解が深まりやすい
50代未経験の勉強は、若い頃のようなガムシャラな「短期集中・詰め込み」は続きません。大人には大人の、効率のいい無理のない「時期別の積み上げ戦略」が必要です。
まとめ:完璧主義を捨てれば、未経験でも1年で届く
通関士試験は範囲が広くて圧倒されますが、季節ごとに科目を分けて、一歩ずつ確実に進めば、未経験からでも十分に合格を狙えます。
- 秋:専門用語に慣れる
- 冬:忘れる前提で、忘却曲線に沿って過去問を回す
- 春:通関実務に集中する
- 夏:模試で仕上げる
「全部を完璧に」やろうとしなくて大丈夫です。季節ごとに科目勉強をスタートさせ、本番で合格ラインを1点でも超えれば合格します!

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